ケース5 このところ仮設住宅内での隣室の生活音や近所付き合いをめぐるトラブル、生活のリズムが異なる人たちへの感情的な訴えが増えてきました。 | はあとふる・ふくしま

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避難者への生活支援とボランティア活動を伝えます

ケース5 このところ仮設住宅内での隣室の生活音や近所付き合いをめぐるトラブル、生活のリズムが異なる人たちへの感情的な訴えが増えてきました。

地域支援編

避難から時を経て、みんなで我慢の時期が過ぎ、さまざまな不満が表に出てくるようになりました。とりわけ日々の暮らしの場であるご近所同士のトラブルが相談員に訴えられることも増えがちです。どちらか一方の味方をするわけにもいかないし・・・、どのように対応したらよいのでしょうか。
ご近所トラブルが増えてきた背景や理由として考えられることは
避難生活の長期化や、生活再建に向けての行き先の不透明な不安感により、被災当初は「みんな被災者なんだから」「もっと大変な思いをしている人がいるんだから」と何事も我慢してきた気持ちが、避難生活が長く続くにつれ、我慢することから主張するようになってきています。

慣れない避難生活のなかで、家族間の意見や気持ちの対立や擦れ違いも起こりがちで、そのストレスから不満を外に向けてぶつけてしまうケースもみられます。また、仮設住宅の構造上の限界や物理的な空間の狭さから生じるご近所同士の距離の近さは、お互いの価値観や生活リズムを表出させ、その違いが許容範囲を超えてしまうことで、さまざまな怒りや不満につながっていると考えられます。

間に入って仲裁する? その場合の留意点は?
まず、近所との関係や状況・背景を把握し、トラブルに至った原因について訪問をして確認する必要があります。この場合注意したいことは、相談員だけでの対応はできるだけ避けた方がよいということです。各関係機関との情報交換と共有をはかり、問題となる原因や背景を検討しながら対応を進めます。

ご近所トラブルはとてもデリケートな問題と考えられるため、相談員が仲裁に入ることは慎重に検討し、対応しなければなりません。当事者からの話を聞く際にもどちらか一方の側を支持しているととられることのないように細心の注意を払い、その場の訴えに同意はせず、聴くことに徹します。

たとえば、こんな解決策も
自治会長にも状況を説明し、トラブルが発生した時には連絡をもらう体制づくりが必要になるかもしれません。この場合には、関係機関との連絡ルートを明確にしておくことが重要です。

また、生活音などによるトラブルはモラルの問題でもあり、お互いにルールを守り合おうというようなチラシを作り、自治会の協力を得て全戸配布するのも一つの方法です。

さらに、サロンやイベントなどに積極的に参加をしていただき、気分を紛らわしてもらい、公民館などで行われている事業にも参加を促し、ご近所同士の関係ではないメンバーと時間を共に過ごしていただくことも有効です。違う住民と同じ趣味を共有することでストレス解消にもつながることがあります。

問題が深刻化した場合には、ある仮設住宅では、住民が会議を開き、トラブルが生じた世帯同士が隣接しないように、同じ仮設住宅内の空き部屋を活用し、移動することを決めました。仮設住宅を管理する町は、このことについて事前にその要望を受け承諾をしており、住民の意向を尊重して対応をしたという事例がありました。



(黒木洋子・草野淳)

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