ケース3 訪問を重ね、この人たちは頼りになるという信頼がでてきましたが、反面、家族や身内で対処できるようなささいなことまで頼んでくるようになりました。 | はあとふる・ふくしま

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避難者への生活支援とボランティア活動を伝えます

ケース3 訪問を重ね、この人たちは頼りになるという信頼がでてきましたが、反面、家族や身内で対処できるようなささいなことまで頼んでくるようになりました。

個別支援編

生活支援相談員にとって「信頼される」ことは支援にあたっての重要な要素です。しかし、その信頼が自立心をそぐことにつながったり、家族との関係に影響を与えたりと、相談員に対する過度の依存心が生じてきたときにはどのように対処したらいいのでしょうか。
家族より相談員に頼んでくる背景や理由として考えられることは
誰しも“家族に心配や迷惑はかけたくない”という思いがあります。高齢になればなおその思いは強くなるのではないでしょうか。

原発事故で息子夫婦と孫を県外に避難させ、高齢夫妻は仮設住宅で暮らすというケースも少なくない状況で、週に1回など定期的に顔を出してくれる相談員の存在は心強いものとなってくるはずです。明るい笑顔で親身になって話を聞いてもらうと、知らない土地で慣れない環境のなか不安を抱えながら生活している方には心のよりどころと感じるでしょう。

「遠くにいる家族にわざわざ来てもらうのも迷惑がかかるし、今は誰よりも頼りになるこの人(相談員)に何でもお願いしよう」という依存の気持ちになってしまうことも否めません。

相談員の役割は、不安な気持ちの避難者に寄り添い、相談相手となり支援を行うことなので、ともすると高齢世帯の生活のなかに必要以上に入り込んでしまうことがあるので注意しなければなりません。

支援の距離をとるために留意することは
相談員自身が避難者の生活課題や悩みごとをすっかり背負い込み、ことあるごとに“自分がどうにかして解決しなくては…”と思い悩む状況に陥ってしまいがちです。こうした場合には、あらためて考えてみましょう。『解決するのは自分ではなく、あくまでも避難者自身だ』ということを。

相談員の業務に“被災者の自立を支援する”という大きな柱があります。頼って得られる安易な安心を提供するよりも、自らが解決するために努力する自助自立の行動をおこせるようサポートすることが大切です。そのためには相談員はパイプ役に徹し、相談員個人の判断で要望に応えることは控えましょう。


支援の内容が妥当かどうかの見直し、改善
とはいえ、避難者はさまざまな生活課題を抱え不満を訴えます。苦情や要望について回答する場合は、相談員のできること、できないことを明確にわかりやすく伝えましょう。そのためには、相談員によってバラつきが出ないように、組織としての共通の考え方をもっておくことが必要です。

ただし、緊急事態の場合にはケースバイケースで対応しなければならないことも出てきます。

たとえば、ひとり暮らしの高齢女性が足をくじいてしまい、普段は自分で暖房機の給油ができていたのに訪問してみたら消えたストーブの前で寒さに震えていたことがありました。この場合には相談員がとりあえず給油して部屋を暖かくしてから家族に連絡をするよう促しました。

また、住宅の不備等で早急に回答を求められた場合には「○○に確認して、来週には必ずお返事するようにします」と回答期限をはっきりさせ、行政や関係機関に伝え、状況を確認し、回答期限までにその問題が解決に至っていない場合でもきちんと進行状況を報告することで納得してもらえることがほとんどです。




(根本光洋・李仁鉄)

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