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☆みんぷく・コミュニティ交流員

2015/11/30
 

復興公営住宅と地域社会とのつながりづくりを
支援するみんぷく・コミュニティ交流員

「みんぷく」とは、いわき市内で活動するNPO、社会福祉協議会、民間団体、個人からなる復興支援のためのネットワーク組織です。ニーズに沿った支援、迅速な支援を円滑に行うために2012(平成24)年6月に設立。翌7月16日に法人格を取得しました。現在、53の団体や個人が加入しています。正式名称は「特定非営利活動法人3.11被災者を支援するいわき連絡協議会」ですが、普段は「みんなが復興の主役!」というスローガンを短くした愛称“みんぷく”を使用しています。

2014(平成26)年9月、みんぷくは福島県が実施している「生活拠点コミュニティ形成事業」を受託し、県内4カ所※にコミュニティ交流員を配置しました。同事業の主な活動は、県内の復興公営住宅の入居者と地元の住民の皆さんとのつながりづくりを支援していくものです。1年が経過した今とこれからをみんぷく・コミュニティ交流員、チーフスーパーバイザーの高梨幸司さんに伺いました。

※県内に「福島みんぷく」「郡山みんぷく」「会津みんぷく」「いわきみんぷく」がある。



みんぷく・コミュニティ交流員、 チーフスーパーバイザー 高梨幸司さん
みんぷく・コミュニティ交流員、
チーフスーパーバイザー 高梨幸司さん


入居時に住民主体の流れを作り
自立の後押しをしていく

昨秋から活動を開始したみんぷく・コミュニティ交流員は「自治会設立支援」「復興公営住宅(以下、団地)の集会所の活用と自主運営サポート」「戸別の見回り」「支援者連絡会議」、さらにはより良い支援のためのスキルアップ「研修プログラム」を業務の柱としています。柱のトップに掲げている「自治会設立支援」については、「住民の皆さんが自分たちの暮らしを互いに助け合えるような共助の関係づくりに自治会は必要不可欠」と高梨さんは話します。

「支援の方法もこれまで暮らしていた仮設住宅とは異なります。団地では、防災、防犯、清掃、ゴミの分別や回覧板のまわし方など、新しく始まる暮らしに必要なルールを自分たちで考えて役割を分担し、自分たちで新しい暮らしを作っていかなければなりません。高齢者、障がいの有無に関わらず皆さん同じ団地で生活する住民として出来ることを協力し合いながら暮らして行く。その基本となる枠組みが自治会です。入居時にそうした住民主体の流れを作り、自立の後押しをしていくのが私たちの役目です」。


団地に入居する前の「顔合わせお茶会」 写真提供:みんぷく

▲団地に入居する前の「顔合わせお茶会」 写真提供:みんぷく


自治会立ち上げに必要な資料作りや
集会所の活用、自主運営のサポートも


活動を始めて以来、コミュニティ交流員は、自治会の立ち上げに必要な資料をまとめて届けたり、暮らしのルールのたたき台を提案するなど黒子(くろこ)に徹しながら支援を続けてきました。それは、今も変わりません。「今秋から入居が始まった飯坂団地の支援もしかりです」。飯坂団地は、福島市内に完成した県営復興公営住宅としては、3つ目になる団地で1号棟・2号棟・3号棟があります。「入居されている方は、浪江町と飯舘村の方がほとんどで、少しだけ富岡町の方がおられます。自治会設立については、団地ごとに方法が異なります。飯坂団地は、3棟の管理人と自治会の役員が同じ方々になりました」。

コミュニティ交流員は、事前打ち合わせで出た様々な要望に添うような資料を作成し自治会の立ち上げを支えました。「皆さんと何度も修正を重ねたので良いものができあがったと思います」。共益費なども集める手間を軽減しようと、あらかじめ日時を決め集会所で集めるようにするなど、これまでの経験を改善したプランも盛り込まれています。


飯坂団地役員会 写真提供:みんぷく

▲飯坂団地役員会 写真提供:みんぷく


「集会所の運営方法も団地ごとに異なります。飯坂団地では、常時開放しないパターンで運営するようです」。常に開放する場合、鍵を管理する方の負担や利用される方が固定化しないようにするなど、いずれも無理がないようにすることが必要です。「そうした部分を支援するのもコミュニティ交流員の役目です。参加する人を固定させないような工夫が求められます。

例えば『防災訓練』や『一斉清掃』などは、住民同士はもちろん、地域の皆さんとの交流を太くしていきます。新しい暮らしを自分たちで軌道に乗せていけるよう団地の皆さんが持っているエンパワメントを引き出すことを大切に、企画立案しています」。ちなみに会津では、入居者が20戸と小規模なことから地元の町内会に入っていくパターンが踏襲されているそうです。


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▲団地の集会所利用会議 写真提供:みんぷく



いわきや郡山では、集会所を活用しながら
人とのつながりづくりを支援。企業のCSRにも着目

すでに自治会が立ち上がっている復興公営住宅では、どのような支援をされているのでしょうか。「いわきの団地では、集会所に私たちが常駐しながら地元のNPO団体と協働で孤立予防のためのプログラムなどを展開しています。相双保健所の保健師さんとの連携で介護予防のための健康教室なども開催しています。自治会の運営については、順調に進んでいるので、今は入居されている方や地域の皆さんとのつながりづくりの支援に力を入れているところです」。

郡山の団地では、自治会が郡山市社会福祉協議会との協働で『健康教室』や『ラジオ体操』などを開催したり、納涼会などの交流会を自主的に運営する自治会の後方支援としての活動に力を入れているそうです。こうした人とのつながりづくり支援については、企業の社会貢献(CSR)と団地を繋ぐ活動も増やして行きたいと考えているとのこと。「だからと言って繋ぐだけでは、企業さんのやりたいことと団地の皆さんのニーズが違ったりするので、こちらからの提案が大切になってきます。

コミュニティ交流員が現場で吸い上げているニーズと企業さんのやりたいことを丁寧に刷り合せながら進めています」。一方、まだ自治会が整っていない団地については、お茶会(サロン)などの交流会を通して皆さんのエンパワメントを引き出す支援を続けているそうです。


人とのつながりづくり。「カラオケ交流会」、みんぷくがコーディネート役を務め他団体が開催した「ノルディックウォーク」 写真提供:みんぷく
人とのつながりづくり。「カラオケ交流会」、みんぷくがコーディネート役を務め他団体が開催した「ノルディックウォーク」 写真提供:みんぷく
▲人とのつながりづくり。「カラオケ交流会」、みんぷくがコーディネート役を務め他団体が開催した「ノルディックウォーク」 写真提供:みんぷく



日々の活動を明日の支援力に進化させ続ける
みんぷく・コミュニティ交流員

最後に今後、取り組んで行きたいこととして高梨さんは、二つ温めていることがあると語りました。

「一つ目が自治会の役員会に参加させていただくことです。私たちが団地の皆さんの意見や要望を地元の社会福祉協議会につないで行くパイプ役になれれば、そこから高齢者の見守りなどに繋いで行くこともできます。飯坂団地でよいモデルを作ることができたらと願っています」。

二つ目がコミュニティ交流員の活動報告会です。心豊かな地域社会を育んで行くためには、今後ますます多様な連携が必要になって行きます。

「そのためにも私たちの活動を知っていただく機会を作りたいと思うようになりました」。県内の各拠点で開催したいと考えている報告会では、岩手県や宮城県で復興公営住宅の入居者を支援されている方々のお話を聞く時間も設けたいと考えています。

「広く知ることで問題解決のための選択肢を増やし、より良い支援につなげたいとも考えています」。みんぷく・コミュニティ交流員の活動報告会は、日程が決まり次第、避難者生活支援・相談センターのホームページ「はあとふる・ふくしま」でもお知らせします。



生涯学習シンポジウムで活動報告をするみんぷく・コミュニティ交流員 写真提供:みんぷく

▲生涯学習シンポジウムで活動報告をするみんぷく・コミュニティ交流員 写真提供:みんぷく



福島県内の団地の自治会状況 資料提供:みんぷく
福島県内の団地の自治会状況 資料提供:みんぷく
福島県内の団地の自治会状況 資料提供:みんぷく
福島県内の団地の自治会状況 資料提供:みんぷく

▲福島県内の団地の自治会状況 資料提供:みんぷく



■連絡先■

特定非営利活動法人3.11被災者を支援するいわき連絡協議会(みんぷく)
〒970-8026 いわき市平字菱川町1-3いわき市社会福祉センター4F
TEL&FAX 0246-38-7359
URL http://www.minpuku.net/
http://minpuku.jimdo.com/

<福島拠点>
〒960‐0102 福島県福島市鎌田字鏡田5-2 阿部ビル2F北側
TEL024-597-8665

<郡山拠点>
〒963-0205 福島県郡山市堤1丁目88 堤マンション2号棟105
TEL024-926-0860

<会津若松拠点>
〒965-0816 福島県会津若松市南千石町6-5 会津若松商工会議所2F
TEL0242-23-4511



●取材を終えて●

この1年、コミュニティ交流員の皆さんは、日々の活動の振り返りを深化させながら団地の皆さんと地域に還元し続けてきました。

「自治会とは、自主的に考え行動していく象徴」と話してくださった高梨さん。

「1歩踏み出すほどに出来ることが増えて行きます。団地の皆さんには、そうした変化をモチベーションに住民主体の新しい暮らしを構築していってほしいと願っています」とも。

コミュニティ交流員の皆さんがつなぐ多様な連携が団地を包む地域の力となっていきますように。


(井来子)






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