社会福祉法人 福島県社会福祉協議会 避難者生活支援・相談センター

Vol.8 高橋理子(福島大学 4年)

2014/01/08
 

2014年。新しい年を迎え、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。

2011年に起きた震災から約3年が経過しようとしていますが、福島はまだまだ厳しい冬が続いています。当地では、地震や津波に加えて原発事故の影響により、今なお避難を余儀なくされている方々も大勢いて、農業や観光業等にも多くの課題が残されています。

しかしこのような中で、震災から学んだこともありました。それは「他者への思いやり」と「行動に移すこと」です。震災以前は、「自分さえ良ければ」、「私はきちんと一人で生きていける」という考えを持っていました。しかし、震災を機に「被災された方々の悲しみを想像する」、「人と人は支え合って生きている」など他者の存在を意識するようになりました。そして、世界中の方々も追悼セレモニーや募金活動など、私たちの身を案じ、行動に移してくれており、勇気づけられました。震災を通じて「他者への思いやり」と「行動に移すこと」は人々の絆を深めるために重要であると学びました。

私は大学卒業後、福島県内で働くことから、「他者への思いやりを持つこと」や「行動力」を活かし“福島県の復興”の一翼を担いたいと思っています。以前、被災者の方とお話しした時に、「復興、復興っていうけどそんなすぐに前向きな気持ちになれない。」というような話を耳にしました。世間的には「福島は復興に向かっている」、「人々は前向きな気持ちを持っている」と、とらえられがちですが、実際の被災者の方々は多くの悲しみを抱えていました。このことから「福島の人々の心」と「復興の進展」には大きな隔たりがあることを感じました。私は、本当に困っている被災者の気持ちに寄り添えるように思いやりを持ち、押しつけでなく、自然と心の余裕が持てるような支援を考えていきたいです。そして、その「思いやり」をもとに福島で生きる一人として “復興”のために行動していきたいと思います。


高橋理子(たかはし りこ) 福島大学 4年
福島市在住




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2013年8月に国際ロータリーのプロジェクトでオーストリアのユースキャンプ「ユーロスマイル」に参加。8か国の仲間と共に合宿生活を送りました。

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2013年8月に国際ロータリーのプロジェクトでオーストリアのユースキャンプ「ユーロスマイル」に参加。8か国の仲間と共に合宿生活を送りました。

▲2013年8月に国際ロータリーのプロジェクトでオーストリアのユースキャンプ「ユーロスマイル」に参加。
8か国の仲間と共に合宿生活を送りました。


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