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そもそも、「ボランティア」ってどういう意味ですか? いつ頃から日本に登場したのでしょう?

2013/11/06
 

Q:東日本大震災では、たくさんのボランティアが活躍しましたが、そもそも、「ボランティア」ってどういう意味ですか? いつ頃から日本に登場したのでしょう?


現在の日本で、「ボランティア」という言葉を知らないという人は、ほとんどいないでしょう。国立国語研究所が実施した「外国語定着度調査」(2002〜2004年、16歳以上を対象)によると、「ボランティア」という語を知っている人は97.2%、405語の中で認知率第3位でした。(ちなみに、1位は「リストラ」、2位は「ストレス」)。しかし、その意味を知っている人(理解率)は、90.8%で第6位です。すなわち、よく耳にするし、なんとなくイメージはあるものの、明確に説明するのは難しいという言葉のようです。

「volunteer」という英語は、明治の終わりから大正時代にかけて日本に紹介されたと言われています。国語辞典『広辞苑』に「ボランティア」という語が初めて掲載されたのが、1969年の第2版からだったことから、ひろく一般市民に知られるようになったのは1970年代以降と思われます。しかし、その当時は、「善意」「善行」「奉仕活動」といった、本来の意味とは少し異なる訳語で置き換えられることも多く、“一部の奇特な人、変わり者”が行うというイメージが強くありました。

では、ボランティアの本来の意味とは何でしょうか。

ボランティア(volunteer)の語源は、ラテン語の「volo」(ウォロ、と読む)だそうです。これは、「自分から進んで〜する」「喜んで〜する」という意味があります。つまり、「自発性」がそのもっとも中心となる性格だということです。

当たり前のように思われるでしょうが、実は、日本で「ボランティア推進」が語られるとき、肝心の「自発性」や「主体性」の重要性がないがしろにされることがあります。たとえば「良いことだから、子ども達全員にやらせよう」という発想を持つ人もいます。しかし、ボランティア活動がもつ最大のチカラは、「私」発であること。つまり、自分自身が気になること、好きなこと、得意なこと、あるいは憤りを感じること、放っておけないと思うこと・・・そこからスタートすることに大きな意味があるのです。

義務や強制ではなく「volo」であるからこそ、大部分の人が気づかないような小さな問題に気づく人がおり、「volo」だからこそ、もっと工夫をしたい、もっとニーズに応えたいと思い、それが前例のない先駆的な取り組みを生み出すことに繋がります。そして、「volo」だからこそ、たとえ自分が費用を負担して(無償)でも取り組む、という「無償性」の性格が出てくるのです。

実際、「ボランティア」という言葉は、17世紀の中頃からイギリスで使われ始めたのですが、それは「(自分たちの地域を自分たちで守る)自警団」「(徴兵や職業としてではなく、自ら手を挙げた)義勇兵・志願兵」の意味でした。

日本では、言葉が紹介された時に正確な日本語訳がつけられず、のちに「奉仕活動」という本来の意味とは少し異なる訳語が使われるようになったことから、“自発性”よりも“善い行い”というとらえ方が広がってしまいました。そこから、ボランティアといえば福祉分野、という偏ったイメージも生まれたものと思われます。しかし、ボランティア活動は、福祉、医療、教育、環境、国際交流、多文化共生、国際協力、さらにスポーツ、文化、芸術なども含めた多様な分野で取り組まれています。

1970年代までは若者が活動の中心でしたが、1980年代になると中高年の女性の参加が広がりました。1995年の阪神・淡路大震災を一つの大きな契機として、参加層は、学生、会社員、退職者など多様な層に拡大しました。2011年の東日本大震災においても、全国調査から約200万人がボランティア活動をしたと推計されています。その他にも大小さまざまな災害が発生しており、今や、ボランティアといえば災害時、という印象が強くなりました。

活動分野や内容は何であれ、一人ひとりが、自発的・主体的に社会の多様な課題に取り組むことによって、様々な発見やアイディア、解決策が生まれます。それが地域社会の基盤を強くしていきます。一人ひとりを活かし合える住み良い社会を作っていくために、ボランティア活動の魅力をさらに伝えていきましょう。


(日本ボランティアコーディネーター協会代表理事 筒井のり子)


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