南相馬市社会福祉協議会 | はあとふる・ふくしま

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社会福祉法人 福島県社会福祉協議会 避難者生活支援・相談センター

南相馬市社会福祉協議会

2019/03/07
 


被災者の新しいコミュニティづくり支援の取り組み


社協名 南相馬市社会福祉協議会
時 期 平成27年4月~


【背景】

  • 南相馬市社協は平成23年8月から生活支援相談員を配置して、仮設住宅・借り上げ住宅に住む被災者支援を実施してきた。震災から8年が経過した現在は、仮設住宅からの転居が進み、災害・復興公営住宅、再建した住宅への訪問の割合が増えている。

  • 復興公営住宅等で新たな生活を始めた方々を訪問すると、高齢者を中心に近隣との付き合いがなく自宅に閉じこもりがちになっている方が多くいた。仮設住宅で親しくなった人と離れ離れになり寂しがる方や、いずれ自宅(ふるさと)に戻るまでの仮住まいと考えている方、交流する機会がないなどの理由で地域との交流ができずにいる様子だった。
    戸別訪問活動の様子

  • 相談員の訪問で「一週間ぶりに人と話をした」など、強まる孤立に不安を感じる高齢者の声が多く聞かれるようになり、南相馬市社協は住民が安心して生活できるようコミュニティづくりの支援をはじめた。被災・避難者間の交流支援のほかに地域との関係を結ぶため、まずは相談員が地域との関わりを持つ取り組みも行っている。


【取り組み】

  • “男性”に特化したサロンで新たな交流を
    “男性がサロンに来ない”という状況を変えるため、男性を対象としたサロン「男のつどい」を実施している。ものづくりやゲームの他に、行政書士による無料相談なども取り入れ、男性が関心を持つ企画を準備している。毎回とても好評で定員を超える申し込みがあり、リピーターも多い。名称に“男の”と付けることがポイント。

    南相馬市社協の広報誌「オレンジハート」に掲載しているサロンの案内掲載しているサロンの案内 右が「男のつどい「男のつどい」



    11月の「男のつどい」は“しめ飾りづくり”、実益を兼ねたものづくり企画が人気

  • 住民のやる気を後押しし、自主サロンの開催を支援
    これまでは、相談員をはじめとする支援者が主催するサロンが主だったが、現在は住民主体の住民交流を促しコミュニティ形成を図っている。相談員は住民によるサロンの企画への助言や物品の貸与など後方支援を行う。


≪ある団地での自主サロン開催「失敗は成功の糧」≫

◇80代の夫婦が、仮設住宅で相談員が催していたサロンが楽しかったので災害公営住宅の集会所でもやりたいと、自主サロンを計画した。

生活支援相談員の手伝い
  • ○助成金の紹介と申請手続きの仕方を教えた
  • ○体操・ゲーム道具の貸し出し
  • ○サロン当日は重いものの持ち運びなどの手伝い
何度か開催したが…
■■■■問題発生!■■■■
・ほとんどの参加者がイスを並べるなどの準備を手伝わないためいつも同じ人が準備をすることに不満が出始めた。
◇参加者の不満が主催者夫婦に集中。夫婦と参加者の関係が悪化。サロンは現在休止している。

≪気づいたこと≫
  • ⇒これまでのサロンはスタッフが準備をしていたので、参加者には準備を手伝うという認識がなかった。
  • ⇒自主的にサロンをしたいと声を上げた人に負担が集中。上手くいかなかったときの非難も集中してしまった。
☆今回の経験を今後の糧にする☆
今後は、◎準備はみんなで行う ◎なんでも一人に任せて負担をかけすぎない
◎みんなのサロンだと意識づける、など今回の反省を踏まえたアドバイスをできる。
夫婦のサロンも「休止」に留まっているので再開をめざしたい!



  • 地域福祉懇談会に参加し地域住民の声を聴く
    南相馬市社協は「住民と共に安心して暮らせるまちづくり」をテーマに、地区ごとに地域住民との懇談会を行っている。そこに相談員も参加して、地域住民と直接話をする機会を持ち地域の課題にも目を向けている。また、地域住民に被災・避難者の現状を説明し、理解を広げる働きかけもしている。

    住民の高齢化、地域を担う若者の不足などの地域の課題を共に議論。「ゴミ出しに困っているようだ」など被災者の困りごとが見えることも
  • 南相馬市社協の地域福祉活動と被災者支援
    南相馬市社協が地域福祉活動として実施する、高齢者や子育て中のお母さんを対象とした交流事業を、被災・避難者にも案内している。また、相談員が被災・避難者向けに行っているサロン等を地域住民も参加可能にして、被災・避難者と地域住民が関わる機会を作っている。南相馬市社協の地域福祉活動は被災・避難者と地域住民の垣根をなくしていきたいと考えている。

  • 民生委員・児童委員との協力
    民生委員・児童委員定例会への参加、民生委員・児童委員と相談員が持つ住民情報の共有をしている。住宅を再建された方の情報は特に入りにくいため、地域からの情報を得られることは大きい。さらに、地域に馴染めずにいる被災・避難者を見守る目を増やすことにつながり、最近では「地域に馴染めるようこれからは民生委員が訪問するから大丈夫」と言われることもある。



【効果】

  • 生活支援相談員はこれまで、被災・避難者に目を向け活動をしてきたが、地域福祉懇談会に参加し地域の課題と向き合うことで、相談員一人ひとりの視野が地域へと広がった。また、被災・避難者の抱える課題と地域の課題に共通点や関連性を見いだすことで南相馬市社協が推進する他の事業への理解も深まり、被災・避難者支援活動の選択肢が広がった。
  • かつて、相談員が避難先での子育てに悩む母親の集いの場として「子育てカフェ」を実施した。現在は被災・避難者だけでなく同じ悩みを抱えた地域の母親も対象としたものになり南相馬市社協本体の事業に引き継がれている。被災・避難者への取り組みが地域課題への取り組みにも生かすことができた。





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