郡山市社会福祉協議会 | はあとふる・ふくしま

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社会福祉法人 福島県社会福祉協議会 避難者生活支援・相談センター

郡山市社会福祉協議会

2018/08/08
 

相談援助職としての自覚とチームアプローチ


テーマ ケース検討
社協名 郡山市社会福祉協議会
時 期 平成30年


【背景】

  • 郡山市社協は避難先の社協として、避難元社協の要請を受け、生活支援相談員12名体制で約700世帯3,000人を対象に訪問・見守り・相談支援を行っている。
  • 平成27年、原発事故で郡山市に避難しているAさんは、市内の仮設住宅から復興公営住宅に転居したのを機に住民票を郡山市へ移した。
  • 住民票を移したことで、避難元社協からの依頼により支援の主体が郡山市社協へ移ることになり、Aさんの病歴(統合失調症)などが引き継がれた。
  • 郡山市社協が訪問をしていたが、不在でなかなか会えなかった。
  • 郡山市社協の生活支援相談員の中には、統合失調症の方と接した経験がなく、どのように接したらよいか不安が募っていった。


【取り組み】

《不安の正体を明らかにする》

  • 郡山市社協はAさんの訪問見守りをするため、支援方法についてチームでミーティングを重ねた。
  • チームミーティングで自分たちがなぜ不安なのか徹底的に意見を交わした結果、不安は4つあることがはっきりした。
    ①統合失調症という病気について知らない不安
    ②Aさんの現在の病状(言動など)を知らない不安
    ③Aさんがどんな人で、どんな暮らしをしてきたのかを知らない不安
    ④Aさんの利用できる制度・サービスを知らない不安


《チームアプローチ》

  • チームは4つの不安を解消するために、取り組むべき課題を出し合い、分担してすぐに行動を起こした。
    ①統合失調症という病気について学習する
    保健師などの専門職に指導を仰ぎ、書籍・インターネットからの情報収集した。
    ②Aさんの現在の病状を把握する
    Aさんに関わっていた避難元保健師からの引継ぎで、Aさんの通院先のケースワーカーとも連携しAさんの症状、行動の特性、接し方の留意点について助言を受けた。
    ③Aさんがどんな人で、どんな暮らしをしていたのかを知る
    避難元保健師、避難元社協や避難元地域包括から、Aさんの家族の事、生い立ち、震災前の生活状況、発病の時期などについて情報を集めた。
    ④Aさんが利用できる福祉制度・サービスをリサーチする
    障害年金制度、精神障害者保健福祉手帳、福祉サービス利用援助(あんしんサポート)、生活福祉資金、生活保護、成年後見制度などの公的なサービスや見守りボランティア、フードバンクなどのインフォーマルなサービスなどを調査した。
  • 相談員は随時チームミーティングで課題の共有を図ることで、Aさんに対する支援についての不安が軽減された。
  • 相談員は不安が解消されたことで他の支援対象者と同じように接することが出来るようになり、特別扱いしない相談員の対応にAさんは次第に心を開き、毎日の生活について自ら話してくれるようになった。


【工夫】

《支援ネットワークづくり》

  • 相談員は支援する制度・サービスのリサーチと並行して市の福祉まるごと相談窓口、生活支援課、自立支援相談窓口に出向き、生活面・経済面・就労面の支援協力をお願いした。

《社協の内部研修》

  • 主任生活支援員は相談員の精神的な負担を考慮して、ふくしま心のケアセンターによる「支援者のメンタルケア」の4回連続の内部研修を開催し、相談員のストレス軽減に努めた。


【効果】

《関係者による協働》

  • 郡山市福祉課が主導してAさんに関わる10機関(生活支援課、福祉まるごと相談窓口、自立支援相談窓口、Aさんの通院先のソーシャルワーカー、避難元地域包括支援センター、母親の施設管理者、母親のケアマネ、母の保佐人(行政書士)、郡山市社協)が参集され、ケース検討会が開催された。
  • ケース検討会ではAさんの総合的な支援策が協議され、今後の支援方法が決定し、支援を開始した。

    《チーム力で支援する》

  • チームで話し合い行動するというチームアプローチは、集める情報量、情報を整理するスピード、支援対象者を理解する深度において、一人で支援する場合に比べ何倍もの力が発揮することを知った。



主任生活支援員からのコメント

主任生活支援員
精神疾患、引きこもり、生活困窮など複数の問題を抱えている方の支援は、相談員にも精神的に負担が大きいが、Aさんのケースでは、本人に必要な社会資源を一つずつチームで調べ、適切なサービスへ繋げ、関係機関と連携支援できたことは良かったと思います。
日頃から電話や訪問を重ね、本人の状態に合わせたアプローチができていた結果でもあると思います。
本人の事はもちろん本人に関わる方の事も考え行動できたことで、社協職員として相談職としての自覚と自信を得たことは頼もしく思います。



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