NPO法人 みんぷく | はあとふる・ふくしま

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社会福祉法人 福島県社会福祉協議会 避難者生活支援・相談センター

NPO法人 みんぷく

2018/06/20
 

今ももっと良いコミュニティって何だろうと考える毎日。
でも、復興公営住宅にお住まいの皆さんから
「いつも、ありがとう」と言ってもらえると、
心にじんわり来るものがあります。


▲みんぷく郡山事務所の皆さん。チーフスーパーバイザーの内野美津夫さん(写真中央)


東日本大震災に伴う原子力災害により、福島県では4,890戸の復興公営住宅の整備を進めています。

今回ご紹介する「みんぷく」は、復興公営住宅でのコミュニティ形成支援事業を展開している団体です。平成26年10月に県より事業を受託し、現在(平成30年度)は、平成28年度からの3ヶ年契約の最終年度にあたります。みんぷく郡山のチーフスーパーバイザーの内野美津夫さんとコミュニティ交流員の皆さんに話を聞きました。



■ みんぷくって、ほっこりする名前ですね。


▲チーフスーパーバイザーの内野美津夫さん。復興公営住宅の交流促進や自治会設立のために駆け回る毎日。

内野さん
“みんなが復興の主役”の「みん」と「復」をつないで「みんぷく」です。活動当初は、3.11被災者を支援するいわき連絡協議会と言っていたのですが、平成29年4月に「みんぷく」という名称に変更しました。活動拠点は、いわき市、福島市、郡山市、会津若松市、南相馬市となります。



■ 活動内容について教えてください。

内野さん
「みんぷく」には、コミュニティ交流員(以下・交流員)が約90人おり、各エリアで担当者が活動しています。たとえば、復興公営住宅の集会所を利用した交流会の企画、自主的サークルやサロン活動のお手伝い、自治会設立と運営支援、地域活動・イベント支援など、さまざまな活動をしています。



■ つまり、人と人をつなぐ橋渡しをする仕事ですね。

内野さん
そうです。復興公営住宅にお住まいの皆さんが、地域と共に安心して暮らせる環境づくりを進めています。活動の柱は大きく3つで、「団地内で孤立しない関係づくり」「住民自ら運営する組織づくり」「地域で孤立しない関係づくり」の視点で、コミュニティづくりのお手伝いをしています。



■ 自治会を立ち上げるコツとか、ありますか?

内野さん
自治会がほしいと、住民の皆さんから手が挙がることは稀です。たとえば、交流員が「昔の町内会のような人間関係を作りませんか?」とお声掛けし、少しずつコミュニティと呼べる形になっていきます。これなら必ずうまくいくという手本はありませんので、どの自治会もオーダーメイドです。



■ コミュニティ交流員の皆さんに活動のやり甲斐を聞きました!

[紺野夕貴さん]
▲コミュニティ交流員の紺野夕貴さん。「団地住民の間で、お互いのことを気遣い、見守るやさしい関係がゆっくりと生まれています」

紺野夕貴さん
復興公営住宅の住民の皆さんを対象とした交流会を企画していると、団地以外の方々、地域の方とのつながりも生まれてきます。避難後、行方が分からなかったお知り合いの方に偶然会えたということもあります。新しいコミュニティができる、その瞬間に立ち会えるのがとても新鮮ですね。



[遠藤悦子さん]
▲コミュニティ交流員の遠藤悦子さん。予定表には、役員会、健康サロン、防火訓練など、たくさんの予定が書き込まれていました。

遠藤悦子さん
住民の皆さんはそれぞれに辛い避難生活を経て、現在の復興公営住宅に辿り着いた人たちばかり。中にはコミュニケーションを取ることに慎重な方もいらっしゃいます。はじめは会話の少なかった住民さんが次第に笑顔を見せるようになり、楽しそうに会話をしている様子を見るとこちらも嬉しくなります。



[石井裕子さん]
▲コミュニティ交流員の石井裕子さん。「復興に携わることができて、住民の皆さんからも元気をもらっています!」

石井裕子さん
2ヶ月に1回、各団地の自治会が集まって情報交換を行う自治組織連絡会に、私も参加させていただいています。団地をもっと良くしたいという住民の皆さんの一生懸命がんばる姿を見ると、私たちも出来ることをやらなきゃって思います。



[ダクルス久美さん]
▲コミュニティ交流員のダクルス久美さん。「団地はゆるい大きな家族のようなもの。コミュニティと一緒に私自身も成長していると感じています」

ダクルス久美さん
先日住民の方々より、あるご家庭の郵便物が溜まっていて、数日連絡が取れなくて心配…という連絡が私たちの事務所に入りました。支援機関から安否確認の連絡をしたところ、ご本人さんの無事が確認できました。団地の人間関係が成熟していき、コミュニティが育っていく様子をつぶさに実感できるのが何より嬉しいです。



■復興公営住宅でコミュニティが次々に生まれているんですね。

内野さん
みんぷくの活動を続けるほどに「コミュニティとは何か」について深く考えるようになりました。私なりの見解ですが、コミュニティとは、①同じ地域に住んでいて、②自治会や趣味などでつながりがあって、③何らかの組織やグループに所属しているという信頼感・安心感・貢献感があって、④その関係性が他人を尊重しながら、ゆるやかなもの、なのかなぁ…と交流員の皆さんと話をしているところです。



■活動をしていて難しいと感じることはありますか?

内野さん
交流員一人ひとりの動きによるところが大きいため、組織として同一的・同質的な関わりができない場合があります。また、コミュニティづくりの成果を定量的に把握することはできないため、何をどこまでやれば成果が出たと言えるのか、評価の仕方も悩ましいところです。
求められるコミュニティとは何か、試行錯誤を重ねながらの毎日ですが、住民の皆さんから「いつも、ありがとう」と言ってもらえると、心にじんわり来るものがあります。



■今後の活動について教えてください。

内野さん
平成31年度以降の事業については現在協議中ですが、私たちの活動に対する住民の皆さんの関心もとても高いので、事業継続という形になった場合はあらためて今後の活動内容を一つひとつ吟味していきたいと考えています。



■最後にひと言お願いします!

復興公営住宅では、自治会をはじめ、地元社協、避難元社協、支援団体などたくさんのつながりが生まれています。私たち「みんぷく」は、住民さんと住民さんをつなぐのが仕事。たくさんのつながりができれば、いずれ私たちがいなくなっても大丈夫。その日が来るまで全力を尽くしたいと思います。


── ありがとうございました。


▲内野さんのネームプレートにあった、ハンドメイドの「みんぷく」のロゴマーク。小学生からのプレゼントなのだとか。



連絡先


NPO法人 みんぷく(本部)
〒970-8043 福島県いわき市中央台鹿島一丁目56-11 フォルビテッツァ2階B号室
TEL 0246-38-7359
FAX 0246-38-7359
HP http://www.minpuku.net

理事長 長谷川 秀雄

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