楢葉町社会福祉協議会 | はあとふる・ふくしま

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社会福祉法人 福島県社会福祉協議会 避難者生活支援・相談センター

楢葉町社会福祉協議会

2018/06/13
 

チームワークを駆使した支援活動


テーマ 借上げ住宅で避難者が必要とした支援と対応
社協名 楢葉町社会福祉協議会
時 期 平成23年

【避難概要】

  • 楢葉町は東京電力福島第一原発から南に約20Kmに位置している。原発事故により全町民約8,000人に町外避難の指示が出され、約4,000人は隣のいわき市へ避難した。
  • 避難所生活を経て、いわき市に避難した世帯の約1/3の1,000世帯1,500人は自力で借り上げ住宅(民間賃貸住宅;みなし仮設)を探し避難生活を始めた。
  • 仮設住宅では避難者が集まり生活していたため、物資やボランティアなどの支援が受けやすい環境にあり、同じ町民同士なのでコミュニティが作りやすい環境にあった。
  • 一方、借り上げ住宅に住む町民は市内全域に個別に点在していたため、支援や情報も届きにくく、周りに知り合いも少ないため、相談する相手もなく孤立しやすいという借り上げ住宅特有の課題があった。
  • 平成23年10月、借上げ住宅の町民に対し町社協が生活支援相談員8名を配置し、安否確認・見守り・相談支援に乗り出した。(仮設住宅の町民の支援は町が行った)


【取組み】

~支援する環境づくり~
  • 相談員が訪問を開始するにあたって大きな問題は、町民の住む場所がわからないということだった。町役場から町民の住所は入手できたものの、いわき市の土地勘がなく、車載ナビもない状況で、地図を片手に市内を探し回るということになった。
  • 借上げ住宅の町民は自分が避難者であるということを近所に知られたくないという理由から、相談員の訪問を快く思わない方もいたため、社協名の入った公用車を離れた駐車場に止め、徒歩で訪問へと向うなど気を配った。

~徹底的に聴いて、記録する~
  • 借上げ住宅の町民は、仮設住宅入居者との支援格差(物資・情報・ボランティアなど)に大きな不満を持っていた。相談員は、町民の不満を「徹底的に聴く」事に重点を置き訪問時間のほとんどを傾聴に費やした。
  • 相談員は訪問後に、聴き取った内容をミーティングで共有するとともに、項目別に整理して記録することで相談員全員での情報共有を意識した。


【工夫】

Point 1 : チームワークの基盤づくり
  • 町民の居住地を地図に記入し分布図をつくり、訪問先を見える化した。
  • 借上げ住宅の分布図は、町民の居住地を一括して把握できるので、効率的な訪問ルートを組むなどチーム活動の基盤づくりに役立った。


Point 2 : チームワークを発揮する
  • 訪問は2名1組で行っていたが、町民といわき市民の相談員をペアとし、町からのお知らせや町の思い出話、いわき市の生活便利情報まで幅広い避難者の話題に、その場で応えられるようなチーム体制を取った。


Point 3 : チームワークを養成する
  • 談員は記録用紙の様式の整理や項目別に箇条書きするなど、分かりやすい記録方法について話し合いを重ね避難者情報を全員で共有することに努めた。



【効果】

  • 町民と市民の相談員がペアで訪問したことは、滞っていた町からの支援や情報を町民に提供でき、手にした町民は「自分は一人ぼっちではない」と安堵したり、いわき市での近所付き合いのヒントを得ることで日常生活の意欲が湧いたりと、借上げ住宅で暮らす町民のストレス軽減に大きな役割を果たした。
  • 訪問を繰り返すうちに、避難者はしだいに心の扉を開くようになった。始めは町への不満と怒りだけをぶつけてきた方が、しだいに自分の家族関係の悩みや将来の不安を相談してくれるようになり、避難者との信頼関係が生まれることとなった。

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